「高気密・高断熱の家って、実際どれくらい快適なの?」
「性能にお金をかける価値はある?」
カタログには「UA値0.4以下」「C値1.0以下」といった数字が並びますが、それが日々の暮らしでどう体感されるのかは、住んでみないと分かりません。
そこでこの記事では、スウェーデンハウスの規格住宅「ヘンマベスト」で1年以上暮らしている我が家の実測値と実体験を公開します。先に結論をまとめます。
| 項目 | 我が家の実測値 |
|---|---|
| UA値(断熱性) | 0.36(HEAT20 G2超) |
| C値(気密性) | 0.7(気密測定の実測値) |
| 冬の朝の室温(無暖房8時間後) | 17℃を下回ったことがない |
| 換気 | 第一種熱交換換気(熱交換率85%) |
| 冷暖房 | エアコンのみ(床暖房なし) |
数値の解説より先に、この性能が実際の暮らしで何をもたらしたかからお伝えします。
【実測】冬の朝、暖房を切って8時間後も17℃を下回らない
高気密・高断熱を最も実感するのが、冬の朝です。
我が家は寝る前にエアコンを切ります。そして朝、リビングの温度計を見ると——17℃を下回っていたことが一度もありません。関東の真冬、外気温が0℃近い日でもです。
【画像:冬の朝のリビング温度計の写真を挿入。alt「無暖房で一晩過ごした冬の朝のリビング室温」】
この数字の意味を、住宅性能の基準と並べてみます。
| 断熱グレード | UA値(6地域) | 暖房なし時の室温目安 |
|---|---|---|
| 省エネ基準(等級4) | 0.87 | — |
| ZEH基準(等級5) | 0.60 | — |
| HEAT20 G1(等級6) | 0.56 | 概ね10℃を下回らない |
| HEAT20 G2 | 0.46 | 概ね13℃を下回らない |
| HEAT20 G3(等級7) | 0.26 | 概ね15℃を下回らない |
| 我が家(UA値0.36) | 0.36 | 実測17℃以上 |
UA値0.36はG2とG3の中間の水準ですが、実際の室温はG3の目安(15℃)すら上回っています。設計値以上の結果が出ているのは、気密性(C値0.7)が効いているからだと考えています。
暮らしの実感で言えば、こういうことです。冬の朝、布団から出るのが億劫でなくなりました。お風呂上がりに脱衣所で震えることもなく、夜中にトイレへ立っても廊下が寒くない。リビングも廊下もトイレも脱衣所も、ほぼ同じ温度です。
この「温度のバリアフリー」は、快適性だけの話ではありません。消費者庁は、入浴中の事故による死亡者が年間約19,000人と推計しており、その多くが冬季の温度差に起因するとしています。家の中に温度差がないことは、家族の安全にも直結します。
【実測】エアコンだけで、床暖房のある家より安く快適
我が家は床暖房なし、エアコンのみで冬を越しています。「北欧住宅なのに床暖房を入れないの?」と驚かれますが、この性能があれば必要ありませんでした。
そして電気代は、4人家族・オール電化で年間を通して月平均1万円台前半。冬のピーク月でも約1.5万円に収まっています。給湯も調理もすべて電気で賄っていることを考えると、かなり抑えられている数字です。
月別の実額と、太陽光発電による削減効果まで含めた詳しいデータはこちらの記事で公開しています↓

なお、床暖房を採用するかどうかは我が家も最後まで迷ったポイントです。一条工務店の全館床暖房と比較検討した経緯はこちらにまとめています↓

数値の意味|UA値とC値、どちらが欠けてもダメな理由
ここで、2つの数値の意味を簡単に整理しておきます。
- UA値(断熱性):家全体からどれだけ熱が逃げやすいか。小さいほど良い。設計段階で計算できる数値です
- C値(気密性):家にどれだけ隙間があるか。小さいほど良い。実際に建てた家で測定しないと分からない数値です
分かりやすく言えば、こうです。どれだけ高性能なダウンジャケット(高断熱)を着ていても、前のチャックが開いていたら(低気密)、そこから冷たい風が入ってきて寒い。断熱と気密は、セットで初めて真価を発揮します。
そして重要なのは、UA値はカタログで比較できるが、C値は現場の施工品質でしか決まらないということ。我が家のC値0.7という数値は、設計ではなく職人さんの丁寧な仕事の結果です。だからこそ、メーカー選びではここを見るべきだと考えています(具体的な確認方法は後述します)。
数値に表れない2つのメリット
空気が澄んでいて、木の香りがする
高気密の家では、換気の質が暮らしを左右します。我が家はパナソニックの第一種熱交換換気システム(熱交換率85%)を採用しました。給気と排気の両方を機械で行い、外気の熱を捨てずに室内へ取り込む方式です。
この効果は数字より体で感じます。家の中の空気がいつも澄んでいて、こもった感じが一切しません。窓を開けなくても新鮮な空気が循環し、料理の匂いも長く残らない。フィルターを通しているので、花粉やPM2.5の影響もほとんど感じません。
そして、これは木造の北欧住宅ならではですが、家の中にずっとほのかな木の香りが漂っています。パインの内装材が呼吸しているような感覚で、玄関を開けるたびに「帰ってきた」と感じられる。1年以上住んでも、この香りは消えていません。
台風の日に「本当に外は嵐なのか」と疑うほど静か
意外な副産物が防音性です。隙間が少なく壁に厚い断熱材が入っているため、車の音も工事の音も、雨風の音もほとんど聞こえません。台風の日にニュースを見て「今、外はこんなことになっているのか」と驚いたことがあります。
逆に、中の音も外に漏れにくい。小さい娘が2人いる我が家にとって、子どもが騒いでもご近所を過度に気にしなくていいのは、想像以上に大きな価値でした。
正直に書く|高気密高断熱の2つのデメリット
1. 冬は確実に乾燥する
これは高気密・高断熱住宅の「宿命」です。隙間風による湿気の侵入がなく、冬は換気で乾燥した外気が入ってくるため、室内はしっかり乾燥します。熱交換換気を入れている我が家でも例外ではありません。
我が家の対策は、夜に洗濯機を回して室内干しにすること。家全体が暖かく空気も動いているので朝にはしっかり乾いており、加湿器代わりにもなる一石二鳥の方法です。加湿器を何台も置いて水を補充して回るより、はるかに楽でした。
2. 24時間換気を絶対に止められない
隙間がない家は、自然な空気の入れ替えがありません。そのため換気システムが正しく機能しないと、空気がこもり、結露やカビの原因になります。
「電気代がもったいないから換気を止める」は絶対にやってはいけません。フィルターの掃除をこまめに行い、換気システムは常に動かし続ける。これが高気密住宅に住む側の責任だと考えています。
なお「初期費用が高い」もデメリットとして挙げられがちですが、我が家は性能への投資と捉えています。実際の建築費用と、その内訳についてはこちらの記事で公開しています↓

メーカー選びで失敗しない|商談で聞くべき3つの質問
「高気密・高断熱」と謳っていても、実際の性能はメーカーによって大きく違います。カタログの数字に惑わされないために、商談でこの3つを必ず聞いてください。
- 「C値は全棟で気密測定していますか?」
- 「過去の実測値の平均はどれくらいですか?」
- 「採用している換気システムの方式と熱交換率は?」
特に1つ目が重要です。「測定していない」「希望者のみ有料で測定」「平均値は出していない」という回答が返ってきたら要注意。UA値がどれだけ良くても、施工品質にバラつきがある可能性が高いということです。
C値は「設計で決まる数値」ではなく「現場で決まる数値」。ここに向き合っているメーカーかどうかが、住んでからの快適さを分けます。
スウェーデンハウスを選んだ理由|性能が「標準仕様」だった
我が家がスウェーデンハウスを選んだ最大の理由は、高気密・高断熱がオプションではなく標準仕様だったことです。
厳しい寒さの北欧では、家の性能が命を守ることに直結します。だからこそ、分厚い断熱材や木製サッシ3層ガラスが、追加料金なしで標準採用されている。「性能を上げるために何十万円のオプションを積む」という発想がそもそもありません。
そして重要なのは、我が家が選んだ規格住宅「ヘンマベスト」でも、この性能はまったく同じだということ。UA値0.36・C値0.7という数値は、特別なオプションを積んだ結果ではなく、ほぼ標準仕様で達成されたものです。
標準仕様の詳細はこちらの記事にまとめています↓

よくある質問(FAQ)
Q. UA値とC値、どちらを重視すべき?
A. 両方必要ですが、比較検討で見落とされがちなのはC値です。UA値は設計値なのでどのメーカーも提示できますが、C値は実際に測らないと分かりません。「全棟で気密測定しているか」を必ず確認してください。
Q. 高断熱なら床暖房はいらない?
A. 我が家(UA値0.36)はエアコンのみで十分快適です。ただし「足元の暖かさが好き」という嗜好の問題もあるので、性能だけで決まる話ではありません。
Q. 冬の乾燥はどれくらい?
A. 対策なしだとかなり乾燥します。我が家は夜の室内干しで対応しており、加湿器は使っていません。
Q. 夏はどうですか?
A. 断熱は「熱を通さない」ことなので、夏も効きます。エアコンを1台つければ家全体が冷え、切った後も涼しさが持続します。
Q. 高気密だと息苦しくない?
A. まったく逆で、24時間換気が計画的に空気を入れ替えるため、むしろ空気は澄んでいます。「隙間風で換気する家」より確実に新鮮です。
まとめ:性能は「毎日の快適さ」への投資だった
1年以上暮らして実感しているのは、高気密・高断熱住宅は単に「暖かい家」ではないということです。
- UA値0.36・C値0.7(いずれも我が家の実測値)
- 冬の朝、無暖房8時間後でも17℃を下回らない
- 床暖房なし・エアコンのみで、4人家族オール電化の電気代は月平均1万円台前半
- 空気が澄んでいて、木の香りがして、驚くほど静か
- デメリットは冬の乾燥と換気を止められないこと。どちらも対策可能
家づくりでは、デザインや価格に目が行きがちです。でも毎日をつくるのは、朝起きたときの室温であり、家に入った瞬間の空気でした。性能への投資は、光熱費以上に「毎日の機嫌」を良くしてくれるものだと感じています。
良いことばかりでもありません。1年住んで感じた後悔ポイントも正直に書いています↓

紹介経由でご契約いただくと、10万円分のメンテナンスポイントがもらえます(時期によって特典が増えるキャンペーンも!詳細は公式サイトへ)。契約の義務や、こちらから営業することは一切ありません。紹介させていただいた方には、家づくり中の疑問もInstagramのDMでサポートしています。
制度の仕組みと注意点は紹介制度の解説記事にまとめました。
紹介のご依頼はお問い合わせフォームまたはInstagramのDMからお気軽にどうぞ!


コメント